全3回でお届けするレシピ構築シリーズ。1回目は初期比重の計算。2回目はカラー計算でした。過去の記事はこちら。
最終回はIBUの計算式。IBUはInternational Bitterness Unitsの略で、苦みを表す単位。高ければ高いほど苦くなる。日本の大手が作るピルスナータイプのビールだとIBU15~20くらい。流行のアメリカンIPAだったら50オーバーだ。今日はこのIBUの計算式を紹介する。
ビールに苦みをつけるものはホップ。ホップは種類によってα酸(α acidでaaと表現される)の含容量が決まっていて、そこから最終的なビールの苦みIBUが決定する。
必要な入力は以下
・ホップの量(mg)
・そのα酸(%)
・麦汁の量(ℓ)
・麦汁の比重
・ホップのボイル時間(m)
ここで自分は驚いたのだが、麦汁の比重が苦みの強弱に影響するのだ。でもそれって、ボイル中の比重の増加はどう考えるのだろう・・・。ここまで偉そうに紹介すると言って申し訳ないんだが、実のところIBUの計算については理解しきれていない。計算式の中には、なにやら経験値みたいなものも含まれている。理解できたのは、いくつのα酸をどれだけ煮込むかでIBUが決まるってこと。計算式は以下。
IBU = aa(%) × hop(g) × U × 10 / wort(ℓ)
※上記の10はaaを%の数値のまま扱うためと、ホップの量をmgではなくて、gで扱うため
U = fg × ft
fg = 1.65 × ( 0.000125 ^ (Gb-1) )
ft = (1 - e^ ( -0.04 × min ) )/ 4.15
わかっていただけただろうか。理解できなくても、上記の計算式にあてはめてくれればいい・・・。ちなみに、1種類のホップに対して上記を計算し、すべてのホップのIBUを加算するとトータルIBUになる。ftの4.15は自分の感覚に合わせて増やしたり減らしたりするそうだ。想定以上に苦かったら3くらいに下げてみるとか。
例題
α酸 6%のホップ8gを10リットルの麦汁に入れて、60分ボイル。麦汁の比重は1.060 である。
答え
fg = 1.65 × ( 0.000125 ^ (1.060-1) ) = 0.9623
ft = (1 - e^ ( -0.04 × 60 ) )/ 4.15 = 0.2191
IBU = 6% × 8g × (fg × ft) × 10 / 10ℓ = 10.21
Excelで書くと以下。
fg =POWER(0.000125,Gb-1)*1.65
ft =(1-EXP(-0.04*min) ) /4.15
IBU = aa(%)*hop(g)*10/ Wort(ℓ)
以上。
自分が飲んだ一番高かったIBUはラグニタスのHOP STOOPIDで、IBU102だった。だけど、それがバカみたいに苦かったのかというとそうでもない。自分のIBU50でも十分に苦かったりする。そう考えるとIBUは一つの参考値だ。