一人暮らしの頃にやっていたウォートチルの方法は、クーラーボックスに水を張り、ウォートの入った寸胴鍋を浸水させ、水を循環させる方式だった。写真参照。この方式を選んだ理由は、単純に、ウォートチラーを準備するのがめんどくさい & もったいなかったから。この方法でも、冬なら10ℓの熱々ウォートを20分で冷ますことができたので問題がなかった。わざわざ購入する必要もないべと考えていた。
それが札幌に引っ越してきて、ちょっとした問題にぶつかった。同じ方式を新しい住宅の風呂場で試したのだが、なんだか変だ。なにが変かというと、なかなかウォートが冷めないのだ。クーラーボックに張った水に手を入れると、それなりに冷たいが、冬の痛いくらいの水温じゃない。そういえば、灯油給湯のボイラーが発火を続けている。ためしにシャワーを止めるとボイラーも止まった。そう、なんとこの家のシャワーは、温度調整のダイアルを最低にしても必ずお湯が混じる仕様だったのだ。
慌ててクーラーボックスから寸胴鍋を引っ張り出して、雪の外に放り出したのだが、こちらもあまり冷めないということが分かったというのが事の顛末である。
幸いなことに、キッチンの蛇口は激冷の水が出るので、いよいよもってウォートチラーを準備することになったのである。ということで、道具造りを紹介することにしたい。
その前に、タイムリーなことにBYOにウォートチルの記事がアップされていたのでそちらを紹介する。
※BYOさん、フリー記事と会員限定記事を分けたようで、不便になったんだけど。そろそろ会員になるかな・・・。
ウォート急冷には3つのアドバンテージがあって、DMS形成の減少、コールドブレークの増加、菌汚染のリスク低減とのこと。(DMSって、しっかりボイルしたら揮発すると思っていたんだけど、よくよく調べたら、酸素と結合したDMSOは蒸発せずに、ボイル後にDMSに変化していくらしい。)
で記事は、急冷しなくてもいろいろケアしたら問題ないよってことを言っている。DMSはしっかりボイル、且つ、DMSのもととなるSMMが多く含まれる低温キルンのモルトを避けること。コールドブレークは、急冷しなくても、しっかり温度下げればできるよ!汚染は、ちゃんと蓋してれば大丈夫!ってことだ。(ちょっと強引な記事だな)
自分の課題は工程を短くすることなので、急冷が大事なんだけど。紹介しておいてなんだが、この記事はぜんぜん参考になってない。
さて、ウォートチラーの作成の話に戻ろう。道具をそろえるために参考にしたのは、みんなの味方アドブル様。
ビール作りの道具_アドバンストブルーイング(手作りビールキット)
準備するものは、銅管、蛇口とつなぐホース、水漏れを防ぐクランプ。なんだか口径が微妙なジョイントホースも必要だし、こりゃ通販かなーと思っていたら、道民なら全員が知っているホームセンター、「ホーマック」に現物がすべて売っていてビックリ。シリコンチューブもよりどりみどり。横浜のコーナンにもあったかな。気付かなかっただけかな。
買ってきたのがこちら。
内径15mmの緑のチューブ 1m
内径9.5mm、外形15mmの青色のチューブ 10cm
内径8mm、外径10mmの透明なチューブ 10cm
銅管Φ8 3m
スプリングベンダー(銅管を均等に曲げる道具 パイプベンダーという名前で売ってた。)
トータル2500円くらい。
いいサイズのジョイントホースがなかったので、ホースを3重にして使うことにした。そんなことより、なんか銅管短くない?アドブルには10リットルバッチは2.5mって書いていたので、3mを買ってきたのだが、よく写真に出てくるインマージョンウォートチラーは、もっとぐるぐると大胆にとぐろを巻いているような気がする。ちょっと不安。
気を取り直して加工開始。
完成。
何か、へたっぴだけど、すぐできた。
蛇口につないで漏れなく水を通せたし、この長さでちゃんと使えるのかは、実働して判断することとする。なにはともあれ、久しぶりに醸造道具を更新できて楽しかった。
以上。