※2017/2/26 追記有。写真をアップした。ターゲットIBUを追記。
今日は、昨年末に仕込んだセゾンのことなど。
セゾンはベルギーのフランス寄りの地域で作られていたビールで、農家が閑農期の冬に仕込み、夏の農作業中に飲むことを目的に作ったビールである。小作人はビールも給料のうちってことで、ビール飲みながら働いたらしい。アルコールが弱い日本人じゃ無理な文化だがうらやましい。
特徴はミックスフルーツフレーバー。だと自分は思っている。パインのような、柑橘のような、桃のようなフレーバーでとても複雑な味だ。志賀高原のインディアンサマーセゾンとか秀逸で、いつか自分も作りたいなと思っていた。そんな中、セゾンイースト(White Labs WLP565)が手に入ったので作ることにした。
その前にいつものようにセゾンスタイルを勉強。
・モルトは、ピルスナーがベース。ヴィエナとミューニックは10%未満で色と複雑さを加える。
・キャンディシュガーか蜂蜜を加えることもあり、それにより、ビールのボディを増やさずにアルコール増量とフレーバーをつけることができる。
・アシッドモルトを使って、サワーマッシングしたり、最後にランビックを混ぜたりする。
・ホップはノーブル。EKGやスタイリアンが多い。ホップはモルトとバランスをとって、ホップフレーバーが前面に出ないようにする。ドライホップするセゾンもある。
・ストロングバージョンのセゾンはスパイス(コリアンダーやオレンジピール)で複雑さを加える。しかし、初めての醸造ではスパイスなしで醸造することを勧める。
・水はワロン地方の硬水(or gypsum)で仕込む。それによってビールの苦みとドライを際立たせる。
・セゾンは、イーストが重要な材料。
・マッシングは64.5~67.8℃
ということらしい。さてどうしよう。
セゾンを仕込むならコリアンダーの出番だと思っていたが、初めはスパイスなしで仕込むことを推奨している。あと、砂糖を加えることでボディーを増すことなくアルコールを高めるというテクニックにも惹かれる。うーん。と考えた挙句、まずはノーマルで仕込んでみることにした。ランビックとのブレンドは難しそうだから却下。水質調整も勉強不足だからいつも通り水道水で行く。そんなわけでレシピは以下。
ピルスナー 90%
ビエナ 3%
ミューニック 7%
マッシング
プロテインレスト 30m 50℃
シングルインフュージョン ステップ1 30m 62℃
シングルインフュージョン ステップ2 30m 68℃
ボイル
60m
ホップスケジュール
EKG 60m 15g
EKG 15m 10g
EKG 0m 7g
ハラタウ 0m 7g
IBU25.9
イースト
White Labs WLP565 Belgian Saison
インフュージョンをステップで分けた理由は特にない。おすすめマッシング温度が幅広かったから分けてみた。
そんでもって、間髪を入れずに以下のレシピも仕込んでみた。
ピルスナー 72%
上白糖 18%
ビエナ 3%
ミューニック 7%
マッシング
プロテインレスト 30m 50℃
シングルインフュージョン ステップ1 30m 62℃
シングルインフュージョン ステップ2 30m 68℃
ボイル
60m
ホップスケジュール
EKG 60m 15g
EKG 15m 10g
コリアンダー 15m 7g
オレンジピール 15m 7g
EKG 0m 7g
ハラタウ 0m 7g
IBU25.9
イースト
White Labs WLP565 Belgian Saison
完成後の感想だが、瓶詰後の熟成期間は2週間ではたりない。4週目くらいからようやくおいしくなった。それ以降、日に日に美味しくなっていく。これがセゾンの特徴なのか、冬で熟成が遅いだけなのか迷う。
コリアンダー有り/無しのレシピを比べると、無しの方が深い味わいを感じられて、自分は好きだ。でも、女子(友達の奥さん)にはコリアンダー有りの方が評判がいい。
2回目の醸造の時は、砂糖を入れて「ボディーを弱くしてアルコールを高める」ってのを試してみたけど、元ネタの「フレーバをつけるためにキャンディシュガーか蜂蜜使う」との文言に今さらながら気づいた。上白糖ではフレーバーをつけることはできない。ということで、次は蜂蜜を使って仕込んでみることに挑戦したい。
まとめ
セゾンは深くてウマい。燻製などのおつまみに合わせると、ウマさ倍増。
以上。