一番搾り製法に迫る1

※3/29夜に書きかけをフライングでUpしてしまった。更新した。

 

 次に仕込むビールが決まった。一番搾り製法に挑戦してみることにした。実際に一番搾りだけで仕込んだら、本当に雑味が低減するのか興味が出てきたので、二番搾り麦汁あり/なしの2バッチ並行仕込みを敢行して味を比べるのが目的の一つだ。今回はその前準備のために一番搾り製法についていろいろ調べたので、その情報を共有する。

 

 このブログ読む人に一番搾り製法についてレクチャーする必要はないと思うが、キリンビールの公式をリンクしておく。公式HPはシンプルで単純明快に書いている。一番搾り麦汁だけで仕込むのが一番搾り製法だ。そのために通常の1.5倍のモルトを使っているというのだからなんと贅沢なビールなのだろう。

www.kirin.co.jp

 そんなの嘘だ!一番搾り麦汁だけで仕込むなんて無理だ!っていう人がたまにいるけど、大企業がここまで大々的に宣言しているのだから嘘ではないだろうと思う。じゃあ、なんでみんながモヤモヤしながらキリン一番搾りのCMを見ているのかというと、こちらの増田さんの記事に疑問がまとまっていると思う。

キリンの一番搾りと二番搾り

そのため、二番を捨てる理由としては、

(1)一番と二番では成分が異なる

(2)二番は薄いため、これを加えることはエネルギー収支上悪くなる

(3)宣伝

が考えられます。

(1)なら、もっとそれを全面に出しても良い気がします。

(2)なら、納得しますが、他のビールは二番搾りを入れていることとの整合性がない気がします。

(3)なら、はあそうですか、という感じです。

  これに答えるなら、(1)については、キリンビール自ら成分違うと言いきっているのだけど、伝わり切っていない現状を垣間見る。以下のリンクのように、キリンは二番絞り麦汁はポリフェノール成分が強くてコクのあるビールになると明記している。しかし、キリンビールが全面に出さない理由も何となくわかる。2番麦汁が「悪」として訴求できるならばわかりやすいのだが、そうではない。「一番搾り」というすっきり飲みやすい商品を作るうえで二番麦汁を除外したテクニックなので、これ以上前面に押し出すと一般的なビールを飲みたい消費者を混乱させるだけのような気がするのだ。

「キリン品質」ピックアップ 第6回|「キリン品質」ピックアップ|品質への取り組み|キリン

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キリン 一番搾り編|人気商品で見る「キリン品質」|品質への取り組み|キリン

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 次に(2)は、ある意味その通りで、二番麦汁を絞る工程をカットすれば、その分の工数がカット出来るのでコストダウンが可能だ。しかし、ビール醸造の基礎を知っていたらすぐにわかるのだが、搾った後の煮沸工程で麦汁の2~3割の水分が蒸発する。濃い一番搾り麦汁を薄めなければ、出来上がりのバッチサイズとターゲットアルコール度数をキープできない。二番搾り麦汁を入れる工程は、モルトから糖分の回収率を上げる+麦汁を最適な糖度に薄めるという理にかなった意味があるので、普通のビール醸造では時間をかけて二番麦汁を搾る。

 自分が想像する一番搾り製法は、二番搾り麦汁の代わりに水(湯)を入れて一番搾り麦汁を薄め、糖分の回収率の低さをモルト量でカバー。また、モルト増量で発生するコストは工数カットで相殺するという、味とコストのバランスが取られた製法だ。もしそれが本当なら、実に大胆な発想から完成した製法で、よくバランスを取ってシステム化できているなと感じる。こんな製法は他社にはマネできない突出した企業努力以外の何物でもない。

 こんなところで感動できるのは我々のようなビールラバーだけだとわかっているのだが、(3)のような「宣伝?あぁそう」のような話が出てしまうのはなんとも悲しい。

 

 次は、自分が想像した一番搾り製法についてもう少し詳細に説明して、レシピ構成を紹介したい。 

 

続く。