セゾンの出来

こちらのセゾンがそろそろ完成。

時短セゾン(Ver201806) - homebrew diary

 

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 ああぁ。薬品くさい。前回のセゾンに比べたら全然飲めるんだけど、やっぱ薬くさい。というわけで、前回のヨード臭もこのイースト(WLP565)のキャラクターというわけだ。あれだけすごかった香りも影をひそめてしまい(飛んでいった?)、ホップの苦みが強くてバランスも悪い(これは使ったモルト缶の種類のため)。失敗作という結論でいいだろう。というわけで、WLP565についてあらためていろいろ調べてみることにした。

 

 まずはWhite LabsのHP。

 It produces earthy, peppery, and spicy notes. Slightly sweet. 

 

 これだけではわからないな。アーシーって薬くさいと同等なのだろうか?土を食べたことないしな。

Note to brewers: This strain tends to stall out in fermentation and then restart as long as two weeks later. Make sure the wort is well-oxygenated and allow the temperature to free rise in order to ensure complete fermentation. 

 面白いことも分かった。発酵がストールする傾向があるらしい。自分は幸いなことに、そのような経験はない。このイーストを使った醸造は難しいという記事をいくつも見た。そうだったんだ。

 

 「WLP565」で片っ端から記事をチェックしていると、ここにたどり着いた。Experimental HomebrewingのDrew Beechumの記事だ。

A Guide to Saisons and Saison Yeasts | Maltose Falcons

  • WLP 565 Saison 1 (Heated – straight to 85F)
    • Deep, dry spice, black pepper, dry as hell, slightly medicinal
  • WLP 565 Saison 1 (Free Rise to Ambient)
    • Fruit, cherries, subdued spices, more balanced with a sneaking of malt – still dry, but not overly so.
    • Want a great combination? Pitch blend with Wyeast 3724 because then you've got a broad spectrum of classic characters

 

 ずっと高い温度で発酵させると、ちょっと薬くさいとのこと。やっとわかったんだけど、薬くさいのはフェノールだそうだ。フェノール類を調べるとクレゾールとか消毒薬が出てくる。フェノールってスモーキ―って意識しかなかったけど、突き詰めれば薬くさくなるんだ。初めに低くして温度に任せて上げる方法で、フルーツ感がでるようだ。

 いままで、WLP565を使って醸造した経験を振り返るってみよう。2年前の冬に仕込んだ出来が良かったのだが、その時の温度と比重遷移は残念ながら記録していない。冬に仕込んだのでチルはしっかりできていたと想像できる。

 

 こちらは、前回のヨード臭セゾンの記録。

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 前回の醸造は、低温をしっかりキープしていたようだが、強烈なフェノールが出てしまった。これは、イーストが弱っていたのだと考える。この時の醸造の記録では、8か月くらい寝かせたWLP565を使用。本ウォートの1リットルを取り出して、スタータとして発酵させてから、本ウォートに合流という中途半端な方法を取っていた。8か月も寝かせたイーストはそんなスタータではだめなのだろう。イーストがフェノール/エステルの生成を増すのは、低ピッチレート、低エアレーション、高温発酵。とにかくイーストに負荷を与えた状態で仕込むこと。前回はこの状態だっと推測する。

 

 こちらが今回のセゾン。

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 この回はスタータはしっかり作りこんでいた。しかし気になるのが初めの温度の高さ。これは、夜遅くに仕込んだのでめんどくさくなって、まぁいいかとイーストを投入してしまったのだ。Drewのセゾン仕込スケジュールを見ると、18℃以下まで下げてから開始している。この一瞬の気のゆるみが10リットルの薬セゾンの醸造に繋がった思うと言葉がない。

 

  • Chill the wort to 62-64F (16.67-17.7C)
  • Oxygenate/Aerate the wort with about a 30 second blast of oxygen through a stone.
  • Pitch a very healthy starter - I use 2-4 quarts per 10 gallon batch. (Crashed over night and decanted before pitching)
    • if it's a "Super Saison", I really prefer to do a yeast cake.
  • Place the wort in a temperature controlled environment at 65F (18.3C) for 3 days before letting ramp (or if you're like me and don't have enough space for temp controlling everything - I'll place the fermenter in an iced water bath and let the heat of the day and the ferment melt the ice and raise the temperature to mid 80's and 90's (29-35C). It's perfectly safe to drive a Saison yeast this hard if you've started cooler.

 

 今週末は違うスタイルを仕込む予定だが、すぐにセゾンリベンジしてやる。