我が家在来菌の推察

 我が家に住み着いている細菌(酵母じゃない)がなんであるか考えてみた。

 

 酸っぱさがあったので、はじめは酢酸菌を疑った。酢酸菌は「アセトバクター」または「グルコノバクター属 」に分類される。酢の醸造に利用される菌とのことだ。

 好気性で、アルコールを酢酸に変換する。クエン酸回路で酢酸をさらに二酸化炭素まで変換する種類もいるらしい。pH5.0以下の酸性環境でも生きられて、活性温度は20~30℃とS.cerevisiaeと同じ。広く自然界に存在することから、我が家に居てもおかしくない。

 しかし、失敗ビールがそこまで酢のようだったかと言われるとそんな気がしない。また、コンタミが夏に起きたことと、活性温度の関連性が微妙に繋がらない。

 

 で次に考えたのが納豆菌。納豆菌って特殊な菌だと思っていたら、枯草菌と呼ばれ、土壌や植物に普遍的にいる菌だそうだ。学名はBacillus subtilis(バチルス・サブティリス)。実際に納豆を作る菌は、これに「var. natto」がつく。

 こいつの特長は、悪い環境でも芽胞を形成し生き残るということ。こちらのデータみると*1、115℃で40分って・・・。さらに生き残った後、再び増殖を開始するとのこと。なんだこいつ、バケモノか。

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 またpH4.0でも平気。好気性で、25~35℃が活性温度。ごはん等が糸引いて腐るのはこいつが原因だが、食品によって腐り方が異なり*2、糸を引く/引かないだけでは判断できなそう。

 

 なんか、B.subtilisで正解じゃないかな。家の中に植物いっぱいあるし、酸敗によるすえた匂いも適合する。室温が高い夏に元気になったという推測も当てはまりそう。最終的には顕微鏡つかって見ないとわからないのかなぁ。と思ったらこんなの見つけた。難しすぎる・・・。

枯草菌の検査方法

微生物の同定について-細菌,酵母,カビの同定- - (財)日本食品分析センター - 試験項目・料金

 

 こいつに対抗することを考えると、とにかく混入しないように、発酵前のウォートやスターターを空気にさらす時は、空調や周囲に注意する。混入してしまったら、ビール酵母と同じように糖を食べて増えるので防ぎようがない。ただ、サブティリスは嫌気性質は持たないので(他のバチルス属には嫌気するものも居る)、順調に増殖期を過ごせたら後は心配は少ない。そのため、しっかり温度下げて発酵開始させることも有効だろう。

 

 まぁ、基本的なことだ。初心に戻ってしっかりやりましょう。

以上。