ESB (Ver201811)

 遅い初雪が降って、いよいよラガー仕込の気温になってきた。しかしだ。使わなければならないエールイーストがスタックして、醸造スケジュールが遅延している。

 

 明日、1か月遅れでそのイーストを使ったビールを醸造する。前回のボディーチャレンジと今回紹介するESBは、イーストが復活するまでの間を埋めるビールだったりする。

 

 今回仕込んだESBの紹介に移る。さてESBとは何か?いつも正式名称を忘れて調べることになってしまうのだが「Extra Special Bitter」の略でイングリッシュスタイルのエールの一つだ。IBUsが50~100になるIPAが当たり前の現代に、IBUs=30~40のESBがスペシャルなビターなのかと言われると疑問だが、発祥時代ではそうなのだろう。

 しかも、華やかなアメリカンクラフトビールが流行っている最近は、モルティで重いイングリッシュエールが敬遠されつつある気がする。それは好みなので構わないが、造る人間としてはなぜ重くなってしまうのか?その要素はなにか?を学んでコントロールできるようになりたい。

 

 そんなわけで、次のビールの橋渡しにESBが選ばれて醸造したので、そのレシピを紹介。

 

Batch Size

 11リットル

malt

 マリスオッター 91%

 クリスタル C80 6.6%

 クリスタル C40 0.9%

 ローステッドバーレイ 1.5%

  SRM=11.1

mash

 プロテインレスト 50℃ 30m

 インフュージョン 65℃ 60m

 マッシュアウト 76℃ 5m

boil

 60m

hop & spice schedule

  EKG   10g 60m

  EKG   8g  30m

  EKG   8g  10m

  EKG   6g  2nd Dry hop

  IBUs=36.0

Yeast

 Omega British Ale Ⅲ

 

 ESBの特長として、わずかなダイアセチルは許される。ダイアセチルは有名なオフフレーバーだが、「許される」とはどういうことか疑問だった。

 今日、澱引きして2次発酵容器に移した。

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 若ビールを味見した感想は、完璧なイングリッシュエールでうまい。やばい、好きだ。バーボンやウィスキーのような煮詰めた甘みがあり、これがダイアセチルなんだろう。この脂っこいダイアセチルがモルティボディと一緒になると、全体的に重くなる気がする。なるほどなー。

 今回のビールは、適度にダイアセチルレストできたようで、全体のバランスを阻害せずにその存在感を抑えている。モルティも適度で、フラワリーとのバランスが良くてうまいぞ。これは楽しみだ。

 

 以上。

 

※追記 評価はこちら

vvm.hatenablog.com