この季節、いろいろな限定ビールが発売されて楽しい。
有名なところでは、今年のホップを使ったシリーズ。キリンの「一番搾り とれたてホップ」、サッポロの「クラシック富良野VINTAGE」。そして、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ “初摘みホップ”ヌーヴォー」。
早速飲み比べてみた。
一番すごいと思ったのは、キリン。さすがホップの魔術師キリンさん。新鮮なホップで一番搾りの違う顔を見事に描く。クラシックの富良野VINTAGEも良いのだけど、どうしてもクラシックのモルトの良さがベースにあって、「クラシック」の枠から抜け出せない。それはそれで、サッポロらしくていいのだけどね。
使っているホップは、キリンは遠野のIBUKI(シングルホップかは不明)で、キリン特許の凍結製法で鮮度が半端ない。サッポロは上富良野産ホップ。これだけ量を作っているので、収量が多いリトル・スターだと予想している。それに対して、プレモルのホップは、今年とれたチェコザーツの空輸。それが原因か、どうしても鮮度が感じられなかったから面白い。
そして、どれもおいしかったことを追記しておきたい。あと、いつかアサヒも並べたい・・・。
お次は、ヱビスの限定商品「ヱビス 薫るルージュ」を紹介する。
http://www.sapporobeer.jp/yebisu/rouge/
説明文章を引用するとこんな感じのビール。
この商品は、一部使用したカラメル麦芽の香ばしい香りと、フレーバーホップの一種である「モザイク」の甘い香りが重なり合い、赤ワインのような芳醇な味わいがお楽しみいただけます。赤みがかった美しい液色で、気分も華やぎます。
さらっと3行にまとめているけど、トロピカルなモザイクホップを使って、スペシャルモルトの甘みを高めるという、高度な醸造テクニックに惹かれた。
飲んだ感想は、「フレーバーの甘み」が驚くほど鮮明で驚いた。モルトのべたべたした甘みではなくて鼻に抜ける甘み。モザイクホップのトロピカル感は言われなければ気付かない。すごい。
しかし、個人の感想だが全体評価はマイナス点。残念ながらホップとモルトのバランスが悪い。後味に、渋みのような舌に嫌な感覚も残る。だけど、スイートフレーバーを極限まで高めるワザを披露した醸造家の悪ふざけ的なものを感じ、自分はこういうの好きだなと思った。
それに対して、広告はいただけない。モザイクホップを「甘い」一言でくくってはいけない。子会社のジャパンプレミアムブリューだって、こういっている。
http://www.sapporoholdings.jp/news_group/release/0020170929/index.html
モザイクホップ:アメリカワシントン州にある世界有数のミントの産地ヤキマ渓谷で生まれたホップ。 パッションフルーツやマンゴーなどトロピカル系の香りや、柑橘、ベリーなどのフルーツ、ハーブなどの様々なアロマが複雑に絡み合うユニークな香味が特長。
複雑なモザイクホップのフレーバと、微量なスペシャルモルトの香味とのバランス感で、あの甘みを出しているマジックをちゃんと訴求してほしい。そういうとこやぞ。
以上。