2020年下期振り返り

 新年度の始まりですね。季節外れの暖かい日が続いて、例年なら頑固に居座る雪がきれいに融け去りました。そんな気持ちの良い4月の始まりは、昨年度下期の振り返りと行きましょう。

上期 4月~9月に飲んだビールが対象
下期 10月~3月に飲んだビールが対象
小バッチの試験醸造品は対象外

  • 10月 ホワイトIPA

ホワイトIPA(Ver202008) - homebrew diary

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 うまし。90点。ホワイトIPAを極めるために試行錯誤すること1年。ついに完成形を見つけた。小麦粉を使う醸造にも、だいぶ慣れてきた。

  • 10月 SORACHI ACEクローン

SORACHI ACE クローン(Ver202009)の出来 - homebrew diary

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 (写真左)
 なかなかおいしかったけど、使ったソラチエースホップの個体が強すぎた気がする。口の中がソラチエースで満たされて、だんだん疲れてしまった。たしか2018年品のホップ。使用するホップの正確な情報って、どうやって集めるんでしょうかね。

  • 11月 シメイレッドクローン

シメイレッドクローン(Ver202009) - homebrew diary

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 こいつもおいしかったな。新鮮なうちはフルーティなダブルって感じ。熟成を経ると、ブランデーのような味わいの不思議なエールになって、美味しい体験を2度させてもらった。アードネスイーストの熟成のポテンシャルも感じられる良い醸造になった。

  • 11月 スタウト

スタウト(Ver202010) - homebrew diary

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 材料を入れ忘れて、ターゲットOGを大幅に下回ったスタウト。ライトなスタウトになっちまったと嘆いていたが、時間と共に深い味わいが出てきた良作。熟成後の深い味わいは、キャンディシロップが影響している気がしている。

  • 12月 ホワイトIPA

ホワイトIPA(Ver202010) - homebrew diary

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 10月のホワイトIPAのリメイク。初の20ℓ仕込みにも挑戦。これが自分史上最高の出来になった。100点。何が良かったかって、ビールを飲み込んだ後に舌全体に広がるコクが「本物」だった。今まで2次元の出来だった自分のビールが3次元になったと感じる。あとはホップの組み合わせが課題。

アイリッシュ・ペールエール(Ver202011) - homebrew diary

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 アイリッシュのごついラガーマンを想像するペールエールの完成。冷やさず、むしろ暖炉にかざして飲みたい逸品になった。悪くない出来だったが、たぶんもう造らない。

  • 12月 コーヒースタウト

コーヒー・スタウト(Ver202011) - homebrew diary

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 コーヒーとバニラエッセンスを入れたスタウト。これバカうま。文句なし。100点。コーヒースタウトは、もっと一般的なカテゴリになって、コンビニとかで買えるようになってもいい気がしている。品質維持とか難しいのかな?

  • 1月 初手ラガー

初手ラガー(Ver202011) - homebrew diary

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 ラガーイーストの準備醸造だから、試験醸造扱いとする。

  • 1月 チェコ・プレミアム・ラガー

チェコ・プレミアム・ラガー(Ver202012)の出来 - homebrew diary

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 当時、変な後味でがっかりしていた。しかし最近バキバキと状態が改善して、フレッシュな黒ラベルの風味が前面に出てて、すげーうまい。1月に瓶詰したから、やっぱラガーって3ヵ月の熟成が必要なんですね。って勉強になった。

  • 2月 レッドエール

https://vvm.hatenabklog.com/entry/2021/02/07/211257

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 アイリッシュエールイーストを使った最後の醸造。すっげーうまい。95点。エールの押しの強さが苦手な人は飲めないだろうね。個人的にはローステッドバーレイとごついエールが怪獣大戦争って感じで満足な出来。こういうビールがおいしいって思う人増えてほしいなぁ。

  • 2月 寄り道ラガー

寄り道ラガー(Ver202101) - homebrew diary

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 IPL。まぁまぁの出来。期待してないからなんかおいしく感じるポジション。期待して造っておいしくないと、未練たらたらで飲んでしまう。このビールはサクッと開栓して、サクッと飲める。まさに「ビールを飲むとき」のノリで飲めるのが評価高い。
 あと、ロータスホップは甘くておいしいぞ。

  • 3月 ヘレス

ヘレス(Ver202101)の出来 - homebrew diary

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 1月のチェコプレミアムラガーと一緒で、変な後味。まだ熟成しきっていないのだろう。評価って、いつしたらいいんだ?という迷いが生まれた本作。うーん。ビールはアートだと思っているけど、保存ができない。まさに袖と袖が触れ合う瞬間でしか評価できないアートだ。

じゃないNew England IPA(Ver202101)の出来 - homebrew diary

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 Conanイーストを使って、NEを造ったつもりが全然違う感じになったエール。美味しいからよしとする。

  • 3月 本番New England IPA

本番New England IPA(Ver202102) - homebrew diary

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 NEの勉強をもう一回やり直して仕込んだ作品。見た目はいい感じになったけど、薬草感が強すぎ。もうすこし寝かせてから再評価したい作品。なんか、濁らせるためにホップ投入している造り方になっちゃていて、NE誕生のコンセプトから離れている気がする。しばらく醸造することはないだろうな。

総括

 今期は14醸造13作品(1つは試験醸造)。成果としては、20リットル仕込みに挑戦できたのは良かったし、ほぼ満点のビールを2つ造ることが出来た(ホワイトIPAとコーヒースタウト)ことが大きい。今期ベストは言うまでもなく12月のホワイトIPA
 成果の反面、熟成と飲むタイミングという課題も出てきた。その課題を突き詰めると、行きつく先はイーストろ過と強制カーボネーション。そんな本格的醸造設備は考えたくない。そしてラガーの低温ラガーリングなど、いよいよ醸造の深淵に差し掛かって来た気がする。悩ましい。
 あと、レシピがマンネリになって来た。今まで作ったスタイルの繰り返しで、読む人は面白くないだろうなと。だからと言って、自分が飲みたいビールを造りたいわけで、これも悩ましい。
 あと、20リットル仕込みを挟むと、在庫が増えすぎてやばい。
 なんか、悩ましいことだらけな気がするが、今年度も頑張って仕込んでいきましょう。

以上。