※2018/7/3 修正あり。SRM計算に使うモルトの色度はLovibondを使う。申し訳ない。
※2017/2/26 追記有り。例題の答えを書いてなかったので追記した。
SRMはレシピ構築であまり重要でないと思っていた。SRMなんて気にせずに好きなモルト使って、出来上がった色を見て「今回は琥珀色になった~」とか、ゆるい感じで問題ないと思っていた。だって味には関係ないから。しかし、ポーターやレッドエールなどの濃色系ビールを作るときにIBU以上に構築に頭を悩ますのがSRMだ。
SRMはStandard Reference Methodの略で、日本語にすると標準参照法。詳しいことはWikiを見るとわかる。
SRM数値が低いと黄色くなる。高いと黒くなる。キルン乾燥だけの淡色の麦芽を使うとSRM値は低くなり、高い温度でローストしたモルトを使うとSRM値は高くなる。簡単な話だ。発酵時の温度管理とフレーバーコントロールみたいに難しい話ではない。
それではレシピ構築時のターゲットSRMをどのように計算するかというと、初期比重の計算とほとんど同じで、使用するモルトの重量とSRM、最終バッチサイズがわかればターゲットSRM値が決まる。
このモルトチャートを例に紹介しよう。
例えば、バッチサイズ3ガロン、Pale Malt (2Row) USを5Lb、Crystal Malt 20Lを0.5Lb使うレシピを考えたときに、そのSRMを計算するときを考える。モルトチャートからPale Malt (2Row) USのSRMは2。Crystal Malt 20LのSRMは20。
計算式にSRMではなく、Lovibondに変換した値を使う。
変換式
Lovibond(L°)= (SRM + 0.76) ÷ 1.354
SRM=2.0は2.0L°
SRM=20は15.3L°
最終的な、TargetSRMの計算式はこちら。
SRM = 1.4922 * ( ( 2L° * 5Lb + 15.3L°* 0.5Lb ) / 3gallon ) ^ 0.6859 )
1.4922や0.6859は係数でそういうもんだと覚えるしかない。
答えは、SRM=5.0317
Excelで書くと、SRM = 1.4922 * POWER((2*5+15.3*0.5)/3 , 0.6859)
前回作ったレッドエールもこの計算式で導いた。
結構いい赤色しているでしょ。
SRMの計算で困るのが、計算式よりも、自分の使っているモルトのSRMが本当にその値かどうかということ。レッドエール作るときに、手元にあるローステッドバーレイの出荷元のスペックみたら1200EBCって書いてある。それってSRMに直すと600SRMだ。でもモルトチャートには300SRMって書いている。ぜんぜん違うんですけど。レッドエールを作るときは300SRMで計算して、まぁまぁいい色だった。というわけで300SRMが正解だったようだけど、600SRMで計算したらどうなったことやら。
そして、濃色系ビールはわりと計算可能なんだけど、淡色系ビールを狙うのは超難しい。大手のビールやベルギービールのような色をどうやって出せというのだろう。いくら2SRMのモルトだけ使ったって、あんなに明るい黄色にならない。モルトが違うのか?ほんとだれか教えてほしい。