Wyeast 1084 アイリッシュ・エールイーストを使ったIPA。紛らわしいが略すとIIPA。5月11日に仕込んで、瓶詰から2週間経過したのでレシピと評価を同時報告。
シングルホップにする予定だったが、本当のシングルホップにするとターゲットIBUに達しないので、ビタリングホップを分けた。
レシピはこちら。
Batch Size
11リットル
Grain Build
Maris Otter 82%
CaraPils 8%
グラニュー糖 10%
SRM=4.3
Mash
プロテインレスト 50℃ 30m
インフュージョン 65℃ 60m
マッシュアウト 76℃ 3m
※今回、60分間のインフュージョン中ずっと攪拌してみたが、マッシュ効率は変わらなかった。ただただ疲れた。
Boil
60m
Hop & Spice schedule
マグナム 14g 60m
マグナム 12g 30m
エクィアノット 10g 10m
エクィアノット 10g 0m
エクィアノット 16g 1st Dry
エクィアノット 14g 2nd Dry
IBUs=61.8
Yeast
Wyeast 1084 Irish Ale
さぁ乾杯。
ファーストインプレッションの1次評価は「苦くて旨い」だ。
2次評価はもう少し深堀してみる。味は砂糖を10%入れているだけあってモルティは感じられず、ねらい通り。ホップのエクィアノットの強すぎないフレーバーが良い。このホップはトロピカル系なのだけど、グラッシーがベースにあって、ビール全体のバランスを考えるときには使いやすいホップというのが自分の感想。イーストは、よく働いている。だけど自分の知っているW1084と違う。W1084のサイダーのようなさわやかさが、なりをひそめてしまっている。瓶底培養の影響だろう。
トータルバランスは良好で飲めるIPAに仕上がっている。うまい。
実は、今回のビールは失敗作と予想していた。なぜなら、この瓶底培養イーストを使った試験ビールを何度か飲むうちに硫黄臭(H2S)に気づいたのだ。今回紹介しているビールも発酵中のロッテンエッグ臭がひどくて、ぜったいに失敗ビールになるだろうと予想していた。なのでレシピ紹介を控えていた。幸いなことにH2Sは揮発するので、長い2次発酵期間を設けることで悪臭は消えてくれて、今日のお披露目に至る。
硫黄臭が発生するエールは、ほぼほぼバクテリア汚染されていると思ってよい(ラガーや一部エールイーストは発酵中にH2Sを発生するものあり)。要するに瓶底培養に失敗したってことで、ちゃんと飲めるようになったくれただけで本当に感謝だ。「バクテリアに負けずよく頑張った!」とイーストをほめたたえたい一杯。
このイーストを使った現在進行中の醸造ビールの話がまたあるので、この話はプロローグとしてとらえてもらいたい。
以上。
追記