ビールの色を薄くするためには、使用するモルトをいかに少なくするかだと思っている。そのため副原料に米やデンプンをたくさん使えばいいのだろうと。しかし、モルト67%ビールは、あと一歩な結果だった。
こちらの記事参照。
また、この理論は不十分で、モルト100%でも色が薄いビールの説明ができない。そこで至った次の理論が高マッシュ効率だ。ターゲットOGをぎりぎりまで下げて、マッシュ効率を高めに設定することで、モルトの量を極限まで減らすことができ、ビールの色を薄くできると。
自分のマッシュ効率は最高82%で平均78%なのだが、実は、過去にダブルデコクションしたときのマッシュ効率は83%だ。製法が違うのでノーカウントにしていたが、今回これを解禁してみる。
その頃からいろいろ技術も向上しているだろうと、ターゲットマッシュ効率を85%にしてレシピを組んでみた。
レシピ
Batch Size
11リットル
Grain bill
ピルスナー 100%
SRM=2.8
※副原料使わず、前回のジャパニーズラガーと同じSRM。
Mash
セルロースレスト@30℃ 5分
プロテインレスト@52℃ 10分
サッカリフィケーション@62℃ 15分
デコクション 4分
サッカリフィケーション@70℃ 15分
マッシュアウト@74℃ 3分
Boil
90m
Hop & Spice schedule
60m トラディション 8g
15m トラディション 10g
0m トラディション 8g
IBUs=24.2
Yeast
Wyeast 2308 MUNICH LAGER
デコクションはシングル。1/3のマッシュを取り出して沸騰した状態で焦げないように攪拌しながら5分間。そんで、マッシュを合流してそこからさらに15分間糖化。
こちら一番搾り。デコクションした後の一番搾りはテリがいいんだよね~。
そんで、ドキドキしながらOG計測。なんと、ターゲットOGを0.006上回る結果。え?マッシュ効率にすると97%なんだけど、なんだこりゃ?
この後、何度か計算式を見なおしたり、ウォート量の再計測したけど間違っていないっぽい。あり得るのはモルトの計量の時に間違えたか?うーん。
仮説だけど、以下の2点が原因と考える。
- 最近のマッシング手法+デコクションの相乗効果が、予想以上に高かったこと
- 水量に対してモルトが少ないので、スパージング効率が高くなったこと
97%が正しい数字かどうかは、この製法を何回か繰り返してから判断したい。しかし、数値以上に、味見したウォートの何とも深い味わいに驚いた。これがモルトの旨味をすべて引き出すというやつなのか。
よくわからないと嘆いていたモルトと、少しだけ仲良くできたのかもしれない。それがうれしかった。
以上。
こちら完成品の評価記事