こちらの記事のつづき。
この記事を書いた次の仕込みで、比較のためにゼラチンを使った醸造をおこなった。その結果がこちら。
<①ゼラチン7gをボイル終了15分前に投入>
比較用の前回の写真。
<②カラギナンスプーン1杯(多分1.2g程度)をボイル終了15分前に投入>
比較したら、カラギナンのほうがウォートがキレイ。しかし、サイフォンすると凝固したタンパクがしっかり沈んでるのはゼラチンを使った方で、結果、澱引き時の澱が少なかった。
ゼラチンを使った醸造の場合、ゼラチンの凝固温度が15~20℃と低いため、いつまでもビール中に残ってしまうという弊害を前回話した。これを回避するために、瓶詰前に2次発酵容器を10℃まで冷やしたところ、瓶の側面に付着することはなくなった。
次に試したのは、カラギナンの量を増やした場合。今まで、アイリッシュモスと同じ感覚で使えるのかなと、なんとなくスプーン一杯(1.2g程度)を投入していたのだが、これが足りないのかもしれない。そんなわけでスプーン2.5杯(3.5g)を投入してみた。
<③カラギナンスプーン3杯(3.5g)をボイル終了15分前に投入>
表面上はOK。いろいろ沈んでくれたみたい。しかし、これがまったく効果なかった。底の方に、凝固しきらない滓がモクモクと浮遊していた。②の時と比べようがない量の汚麦汁が残った。いつも、サイフォンで発酵容器にきれいな麦汁を移し、残りをペットボトルに入れて時間をかけて沈めるのだけど、いつもは1本で済む汚麦汁が2本も出来た。そして、その汚麦汁がいつまでたっても沈まないのだ。
<8h冷蔵庫で静置しても沈まない汚麦汁>
しょうがないので、このまま発酵容器に合流した。そしたらもちろんこうなるわけだ。
<澱引き時のすごい量の澱>
カラギナンの量を増やすと悪化するとはどういうことだ?何がダメなんだろう。次回は安定して使えるゼラチンに戻そうと思ったのだが、ある衝撃的な事実を知ることになる。それは「ゼラチンは煮沸すると苦くなる」というのがクッキングガチ勢の常識だったのだ。あぁ・・・。身に覚えがある。冬くらいから造るビール造るビール、どこか薄っすら苦いな~と思っていたのだ。その挙句、モルトミル買ってみたりいろいろ試しているわけだが、ここに一因があったようだ。
ゼラチンはファイニング剤として優秀だが、それを使ってホットブレークの清澄には使えないということだ。ゼラチンは2次発酵時の清澄に限定して使えということ。
うーん。次は寒天買ってくるか。
続報:寒天で、すべてが解決した。
あと、ゼラチンは煮沸すると凝固しにくくなるという情報も得た。