WIPA~ホップ探求篇~(Ver202103)

 わがブリュワリーのレギュラー醸造品であるホワイトIPA。前回醸造モルトイーストの構成が完成した。残りはホップの構成のみ。と言うことで、ホップのブレンド構成を探求するシリーズのスタートだ。
 
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 レシピは、今回からホップのみとする。

Batch Size 
 11リットル
Hop & Spice schedule 
 60m
  スタイリアンFOX   10g
 10m
  モザイク        9g
 0m@80℃
  エルドラド     10g
  アマリロ      10g
  モザイク      10g
  シムコ       10g
 1st ドライホップ
  エルドラド     10g
  アマリロ      10g
  モザイク      10g
  シムコ       10g
 2nd ドライホップ
  エルドラド     10g
  アマリロ      10g
  モザイク      10g
  シムコ       10g
 IBUs=20

 60m投入ホップは、今はなんでもいいと思っているので在庫処分ホップを使っている。課題は0m,1st,2ndのブレンド。今回手元に準備したホップは、エルドラド、ギャラクシー、モザイク、アマリロ、シムコ、センティニアルの6種類。これらのホップの組み合わせを変えながら、WIPAに適したブレンドを探すのが、今年度の大きな取り組みの一つである。

 なぜ、この6種類のホップにしたのかと言うと、生産が安定していて、オイルの構成情報が豊富なことがあげられる。
 あれ?なんでアメリカンホップの覇者であるシトラさんがないの?って思われた方もいるのではなかろうか。それと言うのもシトラと自分はなぜにか薄縁で、買おうと思ったら売り切れってことが多いのだ。気づけば世の中はシトラだらけで、取り残された孤独感すらある。そのうち手に入れたい。

 今回のホップブレンドで抽出されるオイルの総量はこちら。
 この算出は、単純に投入したホップの量ではない。いろいろな論文から情報を収集した、オイルの揮発性質や減衰量を加味した独自の計算式を用いている。この計算式も微調整していきたい。って何年かかることやら。

オイル ug/L
ミルセン 20558
フムレン 5145
カリオフェレン 2546
ファルネセン 240
リナロール 956
ラニオール 531
βピネン 259

 こちら完成品。

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 色とヘッドはばっちりね。ここら辺はもう失敗しない気がする。アロマはパイン。あとレモンの存在があり。トロピカル感は弱くて、若干グリーンを感じる。フレーバはアードネスイーストのコンプレックスフルーティが良い仕事しておいしい。残念ながらホップのフレーバーは弱いが、押し返す収斂味は無くて良いバランス。合格点の出来。しかし前回の異次元の完成度には及ばない。

 次はアマリロをギャラクシーに変更かな。とりあえず4種ブレンドをベースにしばらくこれを繰り返すつもり。


以上。