アメリカンウィート連作(Ver202106~08)

 最近、敬老の日が暦によって2~3日ずれるじゃないですか。あれ?敬老の日って9/15じゃなかったっけ?と、いつも違和感を感じるこの季節は、いよいよ本格醸造シーズンの開幕である。その前に、夏の振り返りをしておこう。
 挑んだのはアメリカンウィートだ。アメリカンウィートは3年前に初挑戦したお気に入りのスタイル。今回は正統派イーストを準備して、腰を据えてがっちり造りこんでやろうと望むことに。

 3年前の記事
vvm.hatenablog.com


 こちらサマリー

No 醸造 瓶詰 サイズ 特長 酵母数(billion) 評価
1 6/13 7/4 8ℓ 標準 推定50 カスい
2 6/27 7/17 11ℓ WIPA 48.33 まぁまぁ
3 7/11 7/31 11ℓ 標準 66 刺々しい
4 8/1 8/22 11ℓ Rye ver 51.72 まろやか
5 8/14 8/28 11ℓ Lawnmower 60 おいしいけど臭う

 レシピは、各醸造でちょっとずつ変えているけど、以下にスタンダードを紹介。

Grain
US 2row 45 %
Wheart malt 45 %
Sugar 10%

Hop & Spice schedule
CTZ 5g@60m
Amarillo 5g@15m
Amarillo 5g@0m
IBUs=20

 使っているイーストは全レシピ共通で「Wyeast 1010 American Wheat」である。今回は2回目からカウンティングして、上限66billionになるように制御した。
 次に一つ一つの評価に移る。

No1 スターター

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 イーストを起こすための小バッチ醸造。どうやらイーストの元気がなかったようで、発酵するまで5日間もかかった。完成品はカーボの入りがイマイチだし、未熟な発酵臭でカスい出来。(カスいってなんだよ)
 

No2 WIPA

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 これは、アメリカンウィートイーストでWIPA作ったらどうなるか実験した作品。まぁまぁの出来だったかな。色が濃いのが残念。
 詳細はこちら参照。
vvm.hatenablog.com

No3 正統派アメリカンウィート

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 イーストが絶好調の3回目。本命作品のつもりで仕込んだ。グラスもめったに使わないアメリカンウィート用のグラスを出して乾杯。
 評価は、甘みとキレが同居してさわやかで美味しい。しかしね、なんかね、イースト臭が強い。ホップよりもイーストの苦みのようなものを感じて刺々しい。66billionも入れるとイーストが多いのでは?と感じた作品。

No4 アメリカンウィート Ryeバージョン

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 アメリカンウィートスタイルは、ライモルトを入れることが許されているので挑戦した。これはライモルト30%とウィートモルト30%、2rowを40%の構成にしてみた。正直ライ麦の味ってピンとこなくって、本格ドイツパン屋さんのライ麦80%の酸っぱいパンを思い出すから酸っぱいの?とか思っちゃう。
 味は、No3よりもまろやかで刺々しさが抑えられておいしい。イースト臭もバランス取れてる。イースト量はこれくらいでいいのか。色は少し濃い。ライモルトSRMはかなり低いはずなんだけど。と言うか、ウィートモルトSRMは低いんだけど絶対に白くならないの。これってなんなんだろう。どうしたらいいでしょうか。

No5 ローンマウア

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 こちらは前回紹介した作品。硫黄くさくて菌汚染してるようだが、味は抜群にすっきりしてておいしい。薄いわけでなく、まろやかなコクがありアメリカンウィートのそこはかとないキレが良い。色もとても良い。
vvm.hatenablog.com

 これを飲んでて感づいたのだけど、No3からのイーストの刺々しい苦みは、実は菌汚染だったのでは?との疑惑。菌汚染はもっと遡って、No1の発酵に5日かかった頃から入り込んでいて、7/13~8/7の連日暑さの中で覚醒してしまったのではないかと。エアロックしてスタータを造る環境の整備が急務である。

総括

 好きなスタイルだったけど、イーストとの相性が悪かったのか菌汚染が原因なのか、たぶんその両方なんだろうけど、もういいや。って思う出来だった。ケルシュイーストを使ってこのスタイルを仕込むほうが俺には合ってる(俺の未熟さでイーストの良さを引き出せていない件は棚に上げる)。

以上。