ケグシステム

 自分のビールの劣化加減にいよいよ耐えられなくなってきたのは今年の春。劣化の要因を手探りしつつ、2ndドライホップの量を抑えることにたどり着いたんだけど、それじゃあ俺のIPAは一生PAどまりじゃねぇか。ということにも気づいた。

 そんな中ビール仲間のFermZilla導入事例を聞いて、自分も最終手段に出ることにした。ケグとフォースカーボネートの導入だ。我がホームブリュー道の最終章の始まりである。

 目的は、1次発酵終了以降にビールの酸素接触時間をいかに短くするか。そのためにケグが必要。そして、酸素に触れずに瓶詰するためにカウンタープレッシャーボトルフィラーが必要というわけだ。これらは言葉は聞いていたが、いざ揃えるとなるとよくわからん。幸いビール仲間が先陣を切ってくれていたので、いろいろとアドバイスを聞けた。

 一番悩んだのがカウンタープレッシャーボトルフィラー。瓶とペットボトルの両方に注入できる製品がよくわからない。調べて調べてここにたどり着いた。Boelという会社のiTapという製品だ。

boel.company

 カウンタープレッシャーボトルフィラーと言えば、普通はT字型の製品を想像するじゃないですか。細長いフィラーを瓶底に当たるように調整するやつ。これは細長いフィラーがない。なくても泡立たないよう瓶に注げるとのことだ。ペットボトル用のコネクタもしっかり売っている。これしかない!

 この会社、どうやらロシアの企業のようだ。HPは英語だったがロシア語のラベルで運ばれてきた。送料を聞いて驚くな。何個頼んでも一律30€だ。安くない?

 カラーボックに穴をあけてこんな感じに設置。

 そしてミドボン登場。重くて逞しい。役者は揃った。さぁ醸造を始めようじゃないか。

 醸造は一次発酵までいつも通り。澱引き後にケグに詰めてCO2加圧。ケグ内の酸素を抜くため、ケグの弁から空気を抜いて⇒加圧を何度か繰り返す。そしてワインセラーを最低温度にしてケグをしっかり冷やす。CO2の溶け込みはビールの温度が低ければ低いほど早い。この期間中に加圧しながら2ndドライホップも行う。

 瓶詰日、ケグを開けてドライホップを抜く。ゆっくり素早くやれば、酸素は入らないと思っている。そしてカーボネーションストーンから加圧してCO2を溶け込ませる。
 チューブの先に石がついたこいつを、ガスINがついたケグの蓋(別売り)に接続して加圧すると、ビールに素早くCO2が溶け込む。これがないとビールの上面から溶け込ませるので1週間くらいかかるらしい。

 フォースカーボネート中。2psiから加圧を初めて5分間。+2psiして5分間を16psiまで繰り返す。これはビールの目標GVとビールの温度から調整するとのこと。今回は2.5GVを目指した。

 そして瓶詰。

 コネクタにペットボトルを噛ませて、中央の赤いボタンを押すとペットボトルが加圧される。iTapのヘッドを手前に倒すとビールラインがつながって、右のねじを緩めてペットボトル内の空気を逃がすとそれに伴いビールが静かに注がれていく。ヘッドを戻すと流入がピタッと止まる。ペットボトルにも瓶にも無事瓶詰できました。ちなみにこのビールはヘイジーだ。

 次回、造ったヘイジーの評価につづく。
 

反省点

 カウンタープレッシャーボトルフィラーを使うためには、ガスをケグとフィラーの二股に分ける必要がある。そのために継ぎ手を使う。

 これが空気漏れしてかなり苦労した。原因はホースの断面がキレイじゃないから。自分はそこら辺のハサミで切ったのだ。ケチらずにホース切断用のカッターを買えばよかった。キレイに切れるらしい。何度か切り直して調整してようやく空気漏れが収まった。

 次に、iTapの付属品。ペットボトル用と一般瓶用のコネクタを購入するも、瓶の取付がうまくいかない。理由は使っていた瓶がショートネック瓶だったから。今度ビール瓶の頭をよく見てほしい。大手の大瓶なんかは分厚くてふっくらしてる。クラフトビールの小瓶はその半分くらいの厚みしかないものが多い。それがショートネック瓶だ。今まで打栓機一つでどんな瓶でも栓してきたので、瓶なんて一緒でしょ?とたかをくくっていたら違った。しかも家にある瓶の半分くらいはショートネックだった。これだけ再注文はダルいなーという状態。

改善点

 瓶詰後のケグの中の写真。

 予想していたのだけど、澱がほとんど残ってない。つまり瓶に詰めてしまったということ。チューブを通してケグの底から注ぐため、もろに瓶に入る。今回ヘイジーだから気にならないけど、ラガー仕込む前には改善したい。対策はフローティング・ディップ・チューブ。ケグに固定されているチューブをフローティングにして、ビールを上面から注ぐのだ。


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 初めに入れたペットボトル。すっげー量の澱。

感謝

 こちら、すっごく良く分かった動画。参照にさせてもらった。
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 感謝。やっぱ日本語の動画はよくわかるなー。英語は耳がついていかない。

 以上。

こちら、完成品の評価。
vvm.hatenablog.com