久々に秀逸ビールの紹介。
ビールフリークしか居ないであろうこのブログの読者さんは「羊蹄山麓ビール」をご存じあろうか。2021年頃からこのブルワリーのビールが突然市場に出回り始め、そこかしこで見かけるようになった。初めは「新しいブルワリーが出来たのねー」くらいの感じで見ていたのだけど、売り込み方がそこら辺のブルワリーと明らかに違ってて、やることが太い。その代表例は「白い恋人ビール」。石屋製菓が販売する北海道土産の代表格の名前をよく使わせてもらったな―と驚いた。よくよく調べるとルピシアという有名なお茶の専門店が始めたブルワリーとのことで、バックがでかいことがわかって納得した。
自分も何回か購入して飲んだが、秀逸ビールとしては取り上げなかった。普通のおいしいビールで秀逸じゃないかったから。しかしこの「アールグレイ・ダージリン」、絶対に1回は飲んだほうが良い。これは新時代の味がする。
「地元特産の果物を入れてみました」って話題性重視のビール、よくあるじゃないですか。それを否定するわけじゃないけど、飲める量が決まっているのにそういうネタ的なビールはちょっと。ってことが自分はよくあるんですよね。こっちは話題のためにビールを飲んでいるわけじゃないので。しかしこのビールは違うと感じた。まず紅茶としてバカ旨い。紅茶のこと全然知らないんだけど紅茶ってこんなにおいしいの?という感想。ビールスタイルはペールエールだけど、その姿は出たり隠れたり。添えたベルガモットが紅茶とペールエールのよい懸け橋になっていて、味のバランスがパーフェクト。HPの情報を見ると、ここまで何度も試行錯誤を繰り返した作品だそうで、お茶専門店のプライドを感じる逸品に仕上がっている。ビールに何かを足すという考え方じゃなくて、いかにルピシアのフィールドにビールをマッチさせるかを突き詰めた出来にあっぱれと言いたい。新しいビールの時代を予感する味だった。
近所のスーパーでもこの商品は欠品することが多くて手に入りにくい。期間醸造品とのことなので、ぜひレギュラー品にしてほしいね。
以上。