ヴィットイーストの汚れやすさ

 今年の春は、久々に正式ヴィットを造っている。使っているイーストはWyeast3944 BELGIAN WITBIERだ。今回も連続で仕込んで、このイーストの適正ピッチレートを探っている。
 と、3回目の醸造でちょっとした問題にぶつかった。それがタイトルの「汚れやすさ」だ。

 このイーストのプロフィールに出てくるこの文言。『This strain is a true top cropping yeast requiring full fermentor headspace of 33%.』。「真のトップクロッピングイースト」の意味がいつもながらよくわからないが、ヘッドスペースを33%を開けよとのこと。

 そのため、醸造袋の上部のスペースをつくって封をする。そうするとこうなる。

 きめの細かい良く泡立つイーストが袋の上部を汚す結果となる。自分、これはこれでしょうがないと思っていた。これが真のトップクロッピングイーストなんね~。程度の感想。しかし、これが非常に良く無い状態であることが分かった。

 それは3回目の醸造時のイーストカウントで気づく。

 おいおいおいおい。てめぇらは何者だ?2回醸造後のイーストでこれはあり得ない汚染だぞ。ここまで汚れるのは、夏の5回目の醸造後とかだろ。これはどう考えても、袋上部で菌が繁殖していると考える。真のトップクロッピングイーストおそるべし。
 ただ、今の自分はイーストウォッシュのスキルを取得済みなので、3回目も問題なく醸造できている。ウォッシュなしで仕込んでいたらと想像すると恐ろしい。イーストの観察はやっぱ大事。

 3回目の醸造後、澱引き時に袋を開けた写真。やはり袋上部で雑菌が繁殖しているようで、夏の部室の香りがむわーんとする。枯草菌系だな。

 袋側面の濁液を落とさないように注意して、液表面の泡は灰汁とりお玉で回収してから澱引き。澱引き後のビールの香りは素晴らしく良いので、完成品は大丈夫でしょう。ちなみに、微生物は5pH以下の状態では増殖が抑えらる。基本的に完成品のビールの中では増えない。

 『真のトップクロッピングイースト』の扱いはちょっと考えモノだ。袋の側面につかないように、適時上部から泡を回収しなければいけないのだろうか。だからトップクロッピングイーストなのだろうか。誰か教えて。

 以上。