ホップの勉強と実験

※ミルセンの揮発温度について追記

※数値に間違いがあったのでグラフを更新。すみません。

 今日、東京ビアウィークのイベントに行ってきた。なんと、キリンの村上さんのセミナーを無料で聴講できるとのことなのだ。そのセミナーで知ったことを羅列しておく。

 

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・ミルセンは松ヤニ様で、それがビールに残るとクセが強くなる。

・ミルセンは、酵母に吸収される。

・だから、1次発酵中にドライホップするDIP HOP製法を行うと、ミルセンを低く抑えつつリナロールとゲラニオールを高くすることができる。

 

 ミルセンについて調べると、キリンだけが松ヤニ様でバッドテイストだと明言していたので本当かな?と思っていた。たまに日本のクラフトビール系ウェブ記事でミルセン=柑橘様という記事を見つけるが、「US系ホップはミルセンが多い」という特徴だけを見て勘違いしているのだと判断した。USのホームブリュー記事でもミルセン=グリーンだし、今日、村上さんもクセが強い松ヤニ様だと言っていた。クセをどうとらえるかは好みの問題だが、ミルセン=バッドテイストはキリンのガチな主張らしい。だからSVBのビールは柔らかいのかと納得した。

 リナロールとゲラニオール等のモノテルペンアルコール類の相互作用が柑橘様をつくりだしているというのが、サッポロの蛸井さんの論文。

 

 さて、ホップには以下の代表的なエッセンシャルオイルが存在する。

・βピネン :松

・ミルセン :松、グリーン

・フムレン:ハーブ

・カリオフィレン:スパイシー、アーシー、ウッディ―

・ファルネセン:青りんご

・リネロール:ラベンダー

・ゲラニオール:バラ

 上記オイルはホップの種類によって各々含有量が異なる。それをホップ毎に比較できるようにグラフ化してみた。

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 グラフは、自分が持っているホップのオイル含有量の平均値を示している。数値は複数のWebで調べた。ちなみに、絶対値ではないことに注意。例えばミルセンとリナロールの含有量を並べるとミルセンの方が多すぎるので、リナロールが米粒のようなグラフになって比較ができない。なのでオイルごとにx10~x1000してわかりやすくしている。純粋な含有量でないことに注意してほしい。

 

 これを見るとセンティニアルのゲラニオール量が突出している。リナロールも多くてフレーバーホップとしての優秀なことが改めて分かった。古臭いホップとか言われているけど、舐めんなよ!ってことだ。また、ビターホップのカテゴリだと信じていたコロンバスとワリオ、マグナムは、結構アロマホップとしての性能も持っている。(いろいろ調べていたら、それらホップはデュアルだという記事も見つけた)数値って大事。

 

 さて、先週仕込んだIPAの1次発酵が終わって、ドライホップを投入するタイミングがきた。今回は、このチャートと村上さんの提唱するミルセンの低減に注目して仕込んでみることにする。手元にある6リットル分のウォートを2リットルのペットボトル3つに分けて、それぞれ投入するドライホップを以下のように変えてみる事にした。

 

#1:センティニアル ノーマル(3.1g)

#2:センティニアル 70℃ボイル(3.1g)

#3:ポラリス(3g)

 

 #1は、ベースとしての仕込み。#2は、ミルセンが63℃で揮発する特性※に注目して、強制的にミルセンを低減するという手法をとってみた。#3は、ミルセンによるクセというものを確認するため、いちばんミルセンの含有量が多かったホップを投入してみた。※実はグラフ見直したら数値間違っていて、アザッカのミルセンが一番多かった。

 

※追記:ミルセンが63℃で揮発というのは、ここで見た情報。

Late Hop Additions and Hop Oils in Beer Brewing | Home Brewing Beer Blog by BeerSmith™

だけど、Wikiとか見ていると、ミルセンの沸点は167℃だ。もしかしてFlash pointが63℃なのかと調べると、それは39℃だった。beersmithの63℃ってなんなのだろう?いろいろ調べたら、どうやら低気圧状態での沸点のようだ。揮発する温度ってそれでいいの?もしかしたらflash pointを見るべきなんじゃないの?とか、よくわからなくなってきた。もう70℃ボイルしちゃったから63℃を信じるしかないんだけどね。

 

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 上記写真は、70℃近辺で20分煮るの図。この後、汁とお茶パックともに2次発酵容器に投入。

 

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 3本に分かれた2次発酵容器。たぶん、ボトリングは(500ml×2 + 330ml) × 3になるのかな。中途半端にあまりそうだけど、こういった実験も楽しい。

 

 以上。