ワインセラーの使い方

 たまに来る問い合わせメールで多いのがワインセラーについて。自分もワインセラーの購入ボタンをポチッと押す前は不安なことだらけでした。と言うわけで今日は、我が家のさくら製作所の「SAB-50G-PB」2016製の仕様についてホームブルワー目線でまとめさせてもらう。

内寸

 ワインセラーを購入するにあたって一番頭を悩ませたのが内寸。製品仕様をみても、設置するために必要な外寸の情報はあるのだが、内寸の詳細は書いてないのだ。「ワイン〇本収納可能」の情報しかないのだ。いやいや、我々は大きなストッカーが入るかどうかを知りたいのだよ。と言うのが購入前の一番の悩み。

 幸いなことに近所の家電量販店に現物があったので、メジャー持参で採寸したのは若き日の微笑ましい記憶です。

 

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 まず現物写真。中はこのようになっていて、コンプレッサーが収まる下部がポコッと出ていて、下部の空間は狭い。また、棚板を載せるための出っ張りが横から3つ出ているのがわかるだろうか。大きなストッカーを入れるなら、この出っ張りを考慮した内寸が使用できる限界となる。と言うわけで以下が内寸の詳細。

 

・コンプレッサー上部の最大奥行き(D) 33.5cm

・コンプレッサー部分の奥行き(D) 23cm

・最大横幅(W) 30cm

・棚板でっぱり部の最小横幅(W) 27cm

 

 次に高さが曲者。普通に考えると棚板を差し込む位置から天井が最大高になってしまう。と言うわけで寸法するとこちら。

 

・最下段棚板から天井(H) 32cm

 

 しかし、写真を見てもらえばわかるが、棚板を挿入する位置とコンプレッサーの出っ張りに隙間があり、空間がもったいない。コンプレッサーのでっぱりから天井までをフルに使いたい。と言うわけで、コンプレッサーのでっぱり高を採寸。

 

・コンプレッサーから天井(H) 36cm

・下面からコンプレッサーでっぱりまで(H) 23cm

 

 標準棚板に対して、4cmものアドバンテージが生まれる。 

 と言うわけで、コンプレッサーの高さと同じ、高さ23cmのストッカーを利用して、そのストッカーに棚板を載せることにした写真がこちら。

 

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 おかげで比重計と発酵槽を同じ高さに設置できるので、比重計測時の発酵温度を一致させることができる。ワインセラー標準の最下段棚板では、写真のストッカーはギリギリ置けるが、比重計を置くことができない。また、ストッカーを動かさずに差し込んだ温度計を確認できるのが、4cmのアドバンテージ。

 さて、このワインセラーでは5ガロン仕込には小さいのでは?という疑問について。実質内寸では体積的に、H36cm x D33.5 x W27 =32.562ℓは可能なはず。と言うことは、この内寸にハマる容器さえ探せばいいのだ。

 モノタロウで目を皿のようにしてW265mm×W265mm×H385mmのポリエチレン製の容器を発見(こちら)。

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 高さは収まらなかったので、カット。

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 このように、5ガロン体制はすでに整っているわけだが、まだ5ガロン仕込には踏み切ってない。まずいビールを5ガロン造ってしまった後が怖いので。

 

温度管理

 次に、心配なのが温度管理能力。このワインセラーは5~20度まで調整可能と書いているが、果たして本当なのだろうか。と言うのが購入前の悩み。これは問題なし。設定温度+2~3℃くらいでウォートの温度を保ってくれる。ワインセラーのターゲットを16℃にすれば18℃後半から19℃前半で管理してくれる。しかし、これは冷やす方の能力の話で、温める方は微妙。この年式のワインセラーでは、真冬でターゲット20℃にしてもウォートは17℃までしか上がらなかった。その時のワインセラーの外気温を測定していないのだが、関東の玄関だったから10℃くらいじゃないかな。あまり昇温能力は期待しないほうが良いのかも。暖かい室内に置いて冷却機能だけを使うことをお勧めする。

 

静音性

  コンプレサー式のワインセラーは要するに冷蔵庫なので、サーモが検知すれば「ゴウーン カロカロカロ」という、冷蔵庫特有の可動音が発生する。昇温能力が弱いことに気づいて、北海道に引っ越してからは6畳の室内に設置するようにした。しかし、音はそれほど気にならないでちゃんと寝れる。冷却機能しか使わないので、音が気になる人はペルチェ式でもいいんじゃない?と言うのが最近の思い。

 

メンテナンス

  4年ほど使用しているけど、元気に可動している。しかし気づいたのがカビ。発酵中のビールをしょっちゅう保管するわけだから、庫内のカビ発生率は高い。定期的に清掃してアルコール噴霧することをお勧めする。

 

以上。