KVEIKの醸造記録 その1

 ここ最近、KVEIKイーストを使った醸造を繰り返していたので、その一次報告。

 KVEIKイーストの特長はなんと言っても、30℃を超える温度で発酵できること。そして爆発的な発酵力。加えて、低ピッチレートでの醸造が可能という情報も手に入れたので、試してみることにした。
 
vvm.hatenablog.com

 使ったイーストは、OMEGA YeastのOYL-090 ESPE KVEIK である。これを選んだ理由は、これ以外品切れだったから。

こちらサマリ

回数 ピッチレート 発酵温度 スタイル 評価
1回目 3bilion/ℓ 30℃ IPA バランス悪い
2回目 1bilion/ℓ 30℃ PA 少し軽いか
3回目 18billion/ℓ 30℃ PA
4回目 7billion/ℓ 21℃ PA

 まだ3回目と4回目の味がわかってない。1/2回目の結果から評価すると、アロマはきわめてトロピカルだけど味はいたって弱い or ニュートラルという感想。口に入れてからのグッとくる旨味がないのだ。ビールはホップとモルトイーストのバランスだが、1回目はホップ量に負けてしまっている。2回目はホップ量を抑えてバランスは良くなったが、どっしり感がないんだよな。

 というわけで、3回目はオーバーピッチで。4回目は通常のエール仕込みのピッチレートと発酵温度を試して、このイーストの能力を探っている。それらの出来をもって、最終的な報告とする。

 今日は、4回の醸造の減衰グラフについて説明したい。
 こちらが、1~3回の醸造とWyeast1056の減衰グラフを比較したものである。

※横軸の日付は7/2を一日目として、別な日に造った情報を合わせこんでいる。

 あたまを悩ませたのが、聞いていた爆発的な発酵力を感じない。というかW1056と比べても遅いんだこれが。低ピッチレートが影響しているのかと思って3回目は18billion/ℓのイーストを投入してもW1056に敵わないという結果。醸造仲間の一人は1日でFGに達したとグラフを見せてくれた。別な醸造仲間は通常よりちょっと早い程度とのことだった。自分は通常よりちょっと遅い。うーん。KVEIKの種類でも違いがあるのか。あたまが痛い。
 低ピッチレートでも全然発酵できるのは本当。この時入れた1billion/ℓって量にして10mlしか入れてないんだよ?ピペットでチュッチュで終わりだ。その後イースト回収したら200billionカウントしたから、5回ちかく分裂をしたことになる。元気だねぇ。

 次は、4回目の20℃発酵。今回のOMEGAのKVEIKは20℃でも発酵するという優れもの。こんだけ発酵が遅いイーストで30℃発酵って、汚染の隙を与えそうで怖い。というわけで20℃発酵も試してみることに。

 これが、輪をかけて発酵が遅い。まだ発酵中だが、本当にFGに達するんだろうか。

 続く。