遅い初雪が降って、いよいよラガー仕込の気温になってきた。しかしだ。使わなければならないエールイーストがスタックして、醸造スケジュールが遅延している。
明日、1か月遅れでそのイーストを使ったビールを醸造する。前回のボディーチャレンジと今回紹介するESBは、イーストが復活するまでの間を埋めるビールだったりする。
今回仕込んだESBの紹介に移る。さてESBとは何か?いつも正式名称を忘れて調べることになってしまうのだが「Extra Special Bitter」の略でイングリッシュスタイルのエールの一つだ。IBUsが50~100になるIPAが当たり前の現代に、IBUs=30~40のESBがスペシャルなビターなのかと言われると疑問だが、発祥時代ではそうなのだろう。
しかも、華やかなアメリカンクラフトビールが流行っている最近は、モルティで重いイングリッシュエールが敬遠されつつある気がする。それは好みなので構わないが、造る人間としてはなぜ重くなってしまうのか?その要素はなにか?を学んでコントロールできるようになりたい。
そんなわけで、次のビールの橋渡しにESBが選ばれて醸造したので、そのレシピを紹介。
Batch Size
11リットル
malt
マリスオッター 91%
クリスタル C80 6.6%
クリスタル C40 0.9%
ローステッドバーレイ 1.5%
SRM=11.1
mash
プロテインレスト 50℃ 30m
インフュージョン 65℃ 60m
マッシュアウト 76℃ 5m
boil
60m
hop & spice schedule
EKG 10g 60m
EKG 8g 30m
EKG 8g 10m
EKG 6g 2nd Dry hop
IBUs=36.0
Yeast
Omega British Ale Ⅲ
ESBの特長として、わずかなダイアセチルは許される。ダイアセチルは有名なオフフレーバーだが、「許される」とはどういうことか疑問だった。
今日、澱引きして2次発酵容器に移した。
若ビールを味見した感想は、完璧なイングリッシュエールでうまい。やばい、好きだ。バーボンやウィスキーのような煮詰めた甘みがあり、これがダイアセチルなんだろう。この脂っこいダイアセチルがモルティボディと一緒になると、全体的に重くなる気がする。なるほどなー。
今回のビールは、適度にダイアセチルレストできたようで、全体のバランスを阻害せずにその存在感を抑えている。モルティも適度で、フラワリーとのバランスが良くてうまいぞ。これは楽しみだ。
以上。
※追記 評価はこちら