今日は字ばっかり。
ちょっと前までの日本のビールの原材料定義をご存じだろうか。そう、67%はモルトを使いなさいという謎ルール。今は50%まででいいんだっけ?もうようわからん。「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」というドイツの荘厳なビール純粋令を前にすると、何とも矮小でどうでもいいルールが日本には蔓延している。
しかし、そのルールが生み出される背景があったわけで、67%がぎりぎりビールと言える出来だったのだと想像する。
では、現代の日本の大手ビールの原材料をみてみるとこんな感じ。
※酵母はなんで書かないんでしょうね?濾して入らないなら、ホップも同じでは?
一番搾りとザ・モルツはフル麦芽。スーパードライと黒ラベルだって、副原料はホップ以下の重量でしか使っていない。これって、大手特有の数字のマジックを使わないかぎりかなり少ないはずで、原材料の95%以上は麦芽のはず。この現状をみるに、麦芽が安く手に入る現代では、麦芽比率67%はどうでもよい指標なのだろう。それよりも、税率の低いビールっぽい飲料(発泡酒や第3)を作る方に熱意を傾けたのかと。
じゃあ、67%麦芽のビールってどんな味なの?発泡酒の麦芽比率は25%未満のうすうすビール。それ以上で、ぎりぎりビールとはどんな味なんだろう。無いのなら、造ってみましょうホトトギス。
レシピ
Batch Size
11リットル
Grain bill
ピルスナー 67%
スターチ (片栗粉) 33%
SRM=2.8
※米やコーンを使わずに、あえてのスターチ。
Mash
セルロースレスト@30℃ 5分
プロテインレスト@52℃ 10分
サッカリフィケーション@62℃ 10分
サッカリフィケーション@68℃ 10分
マッシュアウト@78℃ 10分
マッシュ効率 77%
Boil
60m
Hop & Spice schedule
60m ザーツ 17g
30m スタイリアンゴールド 14g
IBUs=17
Yeast
Wyeast 2308 MUNICH LAGER
さて、片栗粉(デンプン)のSGを知っているだろうか。ちょっと調べたけどよくわからなかったので、推測することにした。精製糖のSGは44程度。デンプンが100%糖化すると考えると、44と言ってしまっていいのでは?と言うことで、砂糖と同じ44で計算したら、ほぼ正解だった。ターゲットOGに対して、計測OGが気持ち低かったので、マッシュ効率100%で43でいいかも。
こちら比重遷移グラフ。
発酵も問題なく順調に進んだ。若ビールの味もGood。モルト感が抑えられて、イーストの繊細な味が色々感じられて楽しい。あれ、もしかして俺ってモルティー苦手なの?完成品が楽しみだ。
以上。
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